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【報告】平成30年度 景観まちづくり講座

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 2018年12月11日(火)区民産業プラザ(研修室1)にて、平成30年度 景観まちづくり講座「まち歩きがもっと楽しくなる!ねりまの魅力的な水辺」を開催しました。
今年度の「景観まちづくり講座」では、「水辺」と「地形」の関係性に着目して、練馬区の自然・歴史・暮らしの観点からの景観の見方・読み解き方を学び、「練馬」らしい景観まちづくりを考えました。

【講  師】
小宮 佐知子 氏(練馬区立石神井公園ふるさと文化館学芸員)
菅沢 博   氏(白子川源流・水辺の会代表)
泉山 塁威  氏(一般社団法人ソトノバ共同代表理事・東京大学助教)
遠藤 翼   氏(ソトノバライター・UDCKディレクター)

【参加人数】24名

座学①
「ねりまの自然がつくった水辺と、私たちの暮らし」
講師:小宮 佐知子 氏(練馬区立石神井公園ふるさと文化館学芸員)


 小宮氏は、練馬区郷土資料室勤務を経て、練馬区立石神井公園ふるさと文化館立ち上げに関わり、
現在まで学芸員として勤務されています。
ふるさと文化館では特別展「富士山-江戸・東京と練馬の富士-」など、練馬区域に関わる様々なテーマの
展覧会を担当されており、練馬区域の歴史に精通しています。

 今回小宮氏からは、まず初めに地形図等から、練馬区の地理的な特徴を説明していただきました。
その後、遺跡の分布図や昔の地図・写真・絵・文献等から、過去から現在に至るまで、練馬区域の人々の暮らしに、
水辺はどう関わっていたのかを紐解いていただきました。

「公益財団法人練馬区文化振興協会」https://www.neribun.or.jp/

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三宝寺池をスケッチした絵画が多く残っている、石神井川は野菜を洗ったり、ネッカチーフを染めたりする場であったなど、
昔から練馬区域の水辺は人々に愛される景観であり、生活に欠かせない場であったと知ることができました。


座学②
「活動を通して見る、水辺の魅力と地域の景観」
講師:菅沢 博  氏(白子川源流・水辺の会代表)
   泉山 塁威 氏(一般社団法人ソトノバ共同代表理事・東京大学助教)
   遠藤 翼  氏(ソトノバライター・UDCKディレクター)


 菅沢氏が代表を務める「白子川源流・水辺の会」は、2001年から湧水と貴重種の生息環境を
守るために、地域を巻き込んで活発な保全活動を展開しており、今では地域の幅広い世代が
白子川に関わるようになっています。毎年恒例の「源流まつり」では、白子川学習の成果を
発表する小学生の姿も見られます。

 菅沢氏からは、「白子川源流(大泉井頭公園)の湧水と、水辺環境の保全活動」と題して、
白子川源流で見られる生きものや自然の紹介、保全活動や川遊びなど、人々が集う場の紹介をしていただき、
水辺環境の保全活動をしている側からの、水辺景観の魅力をお話しいただきました。

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白子川の源流は、魚、カエル、鳥、そして地域の人々が集い、周辺には武蔵野の原風景である畑や森も存在する、
多様な景観が生まれる場であることが分かりました。


 次に「ソトノバ」から、泉山氏、遠藤氏をお招きし、お話しいただきました。
「ソトノバ」とは、「ソトを居場所に、イイバショに!」をコンセプトとした、
パブリックスペース特化型ウェブメディアです。
道路や公園、水辺など公民の敷地を問わず、ソト(屋外)を豊かにしていくことを目指しています。
メディアのほかに、社会実験、アクティビティ調査、エリアマネジメントの検討など、日常のパブリックライフを
つくるためのプロジェクトなどの活動もされています。

 泉山氏からは、国内外の公共空間の活用事例、ソトノバが実施した公共空間での社会実験を紹介していただき、
水辺空間だけに限らず、公共空間での活動の魅力やその始め方、活動に多くの人に参加してもらうコツなど、
人が景観の主役となることの大切さをお話しいただきました。

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水辺景観については、2004年頃から水辺空間の規制が緩和され、広島市の「京橋川オープンカフェ」、渋谷区の「渋谷ストリーム」、
大阪府の「北浜テラス」など、都市部で新たな水辺景観を創造できるようになったことを学びました。
また大阪府堺市の「いずみがおか広場つながるDays」、オーストラリアメルボルンでの、車道を使った社会実験を事例に、
公共空間で活動を始めるためには、やりたいと思う活動があるか、活動の中で自分ができることを見つけられるか、
仲間を集められるかが大切であると学びました。


 遠藤氏からは、実際に遠藤氏がSUP(スタンドアップパドルボード)を使って、水辺でアクティビティを楽しんだ話や、
その他水辺の活用事例を紹介していただき、水辺を活用する意義、人々が水辺を利用しなくなった原因、どうすれば
水辺を利用できるのかなどを、お話しいただきました。

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区民団体として河川管理者から信頼を得ること、環境保全や防災活動の一環と位置付けて活動を「楽しむ」ことが、
人々が水辺を利用し、水辺と人との景観を生み出すために必要ではないかとの提言をいただきました。


意見交換
「私たちが好きな、大切にしたい、ねりまの水辺の風景」


 最後に短い時間ではありましたが、質疑応答や、講師の皆様から、講座を通して景観まちづくりへの
ご意見をいただく場を設けました。

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***** 質疑応答 *****
【質疑】
「水辺の活用を実現するために、大切なことは何でしょうか?」

【応答】
遠藤氏
「河川が部分的にでも開放されている場所は、地域の魅力にしたい、開放することに意味があるなど、
周辺住民の声がキッカケで実現できたのだと感じることが、個人的には多い。」

泉山氏
「柵を作らず子どもが遊べるような水辺にすると、どうしても事故の話になるのだが、それを行政の責任だけにせず、
子どもは親が見るという考えが広まっていかなければ、水辺活用は難しいのではないか。」

***** 講座を通してのご意見 *****
小宮氏
「まちの成り立ちや歴史を伝えることが博物館の使命。水辺は生活と密接であった時代より、
人々から少し遠くなっていると感じるが、また近い存在となるよう、情報を発信していきたい。」

菅沢氏
「活動していると、100年なんてあっという間だと感じる。だからこそ、特にこれからの世の中を
背負っていく子どもたちに、水辺を体験してもらいたい。」

泉山氏
「水辺はまちの資源である。水辺が無いまちもある。それを大切にし、子どものころから
楽しませることが、水辺を良くする、水辺を守るといった気持ちを育てる教育にも繋がるのではないか。」

遠藤氏
「水辺は、安全についてなど、子どもたちの学びの場としての役割もあると思う。そういった意味でも、
一部だけでも活用できることはとても貴重である。」

タイトルの色は、練馬区のよりどりみどり「NERIMA GREEN(ねりまグリーン)」を使用しています。