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【報告】令和元年度景観まちづくり講座(講演会)

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2020年2月2日(日)に練馬区立石神井図書館(2階会議室1)で、
令和元年度 景観まちづくり講座
「いわさきちひろが描いた練馬の風景ストーリー×武蔵野台地の景観」を
開催しました。
今年度の「景観まちづくり講座」では、
下石神井に暮らした絵本作家・いわさきちひろさんが描いた風景から見える
練馬の原風景と、練馬区の景観のなりたちを学び、
石神井周辺で残していきたい風景について考えました。

【講  師】
松本 猛   氏(ちひろ美術館常任顧問、美術・絵本評論家)
小宮 佐知子 氏(練馬区立石神井公園ふるさと文化館学芸員)

【参加人数】45名


講演①
「風景が描かれた背景」や「風景の裏にある暮らし」
講師:松本 猛 氏 (ちひろ美術館常任顧問、美術・絵本評論家)


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 松本氏は、絵本作家・いわさきちひろさんの一人息子であり、
練馬区下石神井の「ちひろ美術館・東京」、「安曇野ちひろ美術館」を設立されたほか、美術・絵本評論家としても活躍されています。

 いわさきちひろさんは、昭和27年(1952年)に現在「ちひろ美術館・東京」がある下石神井に家を建てました。松本氏も50年ちかく、下石神井で過ごされました。
 今回、松本氏からは、いわさきちひろさんの作品をご紹介いただきながら、
作品が描かれた当時の石神井周辺の様子や思い出を語っていただきました。
また、絵を様々な視点で読み解く方法などもレクチャーしていただきました。

 作品の中でも、特に当時の下石神井の様子が伝わるのが、
絵本「ことりの くるひ」です。

 昭和30年代ごろの石神井は、麦畑が広がり、ひばりの声が響いていたそうです。
絵本の中でことりをつかまえようとするやんちゃな男の子は、松本氏の幼少期の姿そのものだそう。
表紙をめくった見返し部分には、素朴な当時のまちのスケッチが掲載されています。
このスケッチの元になった絵は、発行された当初の表紙だったそうです。

 「ことりの くるひ」は区内の図書館でも借りることができますので、
ぜひお手に取ってみてください。
 また、「ちひろ美術館・東京」は、ちひろさんが暮らしていた当時の様子を
留めようと、建築や植栽にも工夫がされています。こちらはとっておきの風景にも登録されています。
ぜひ足を運んでみてください。

とっておきの風景「ちひろ美術館・東京」→
ちひろ美術館・東京HP→
※2月中は冬期休館中です。


講演②
 「武蔵野台地と練馬の土地の成立ち」
講師:小宮 佐知子 氏(練馬区立石神井公園ふるさと文化館学芸員)


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 小宮氏は、練馬区立石神井公園ふるさと文化館の立ち上げに関わり、
現在まで学芸員として勤務されています。
企画展「独立70周年-練馬区誕生への軌跡」など、
練馬区に関わる様々なテーマの展覧会を担当し、
練馬区域の歴史に精通しています。

 今回、小宮氏からは、歴史的背景や地理的な特色を踏まえた
練馬の土地のなりたちについて、石神井周辺を中心にお話しいただきました。

 練馬区は武蔵野台地の東側に位置しています。
「武蔵野」は、江戸時代より前は、ススキなどが茂った野原だったそうです。
江戸時代に開発されてからは、「武蔵野」は雑木林のある風景として知られるようになりました。

 江戸時代から江戸の近郊農村として発展してきた練馬。
当時、石神井公園の三宝寺池は、江戸から徒歩圏内で、日帰りできる名所として知られていたそうです。
練馬の中でも、石神井の周辺は古くから人々に親しまれてきた土地だったんですね。




講師によるクロストーク
聞き手:みどりのまちづくりセンター 中平


 お二人の講演を受け、参加者のみなさんから事前にお寄せいただいた
「懐かしさを感じる身近な風景」をご紹介しながら、
石神井周辺の風景、残したい風景について語り合いました。

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 今回の講座に参加されたみなさんは、練馬区の西側からお越しの方が多く、
「懐かしさを感じる身近な風景」には、
石神井公園や屋敷林、農の風景が多く挙げられました。


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▲ 参加者の「懐かしさを感じる身近な風景」


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 最後に、講師のお二人に石神井周辺の「大切にしたい風景」「残していきたい風景」をお伺いしました。

小宮氏
「石神井の誇りは、石神井公園や三宝寺池。昔撮られた写真や、絵葉書などと変わらない風景が残っているので、大切にしていきたい。 子ども達が遊んでいる風景の記憶も残していけたら。」

松本氏
「三宝寺の山門など、昔の形のまま残されているものもある。ちひろ美術館・東京では、当時の面影を残すために、ケヤキの木を植えるなど工夫している。
ずっと同じものを残していくのは難しいが、昔の姿をとどめたり、復活させる努力を応援する姿勢が区内で広がると良いと思う。」


*参加者からの感想*

講座修了後の参加者アンケートでいただいた感想をいくつかご紹介します。

■ 石神井公園、三宝寺池の歴史が少しわかりました。公園をはじめ農家の樹木等、自然に触れられる地域。これからも残してほしいです。
  松本猛さんのお話、絵本を通して、下石神井はじめまわりの風景を感じることが出来て良かったです。

■ 初めての参加ですが、自分が住んでいる町についての勉強ができて良かったです。

■ 松本さんのお話しで、いわさきちひろさんの絵を練馬の風景を含め、深く見ることができるので、
  とても貴重な時間を体験できたと思っています。

■ 松本猛氏のお話しがとてもわかりやすく、ちひろさんの本の中に生き生きと描かれているのがよくわかりました。
  子ども時代の遊び等をお話ししていただき、現在との対比がよく分かりました。
  昭和の子供たちはとても元気に遊んで大人になってきました。
  自分の子供時代(昭和20年代)を思い出して懐かしい気持ちでいっぱいになりました。

ご参加いただいたみなさん、ありがとうございました。

タイトルの色は、練馬区のよりどりみどり「NERIMA GREEN(ねりまグリーン)」を使用しています。